水銀と狂犬病ワクチン

こんにちは。代表の町田です。

今日はちょっと以前から気になっていた話題について書きますね。

しばしば問題に取沙汰されるのですが、狂犬病ワクチンには添加剤としてチメロサールというエチル水銀が入ってます。ちなみに人間のインフルエンザワクチンなどにも入っているタイプのものがあります。

昔、集団接種用のワクチンは、数人分の量が瓶に入った状態で供給されました。今から100年ほど前ワクチンの集団接種で一本の瓶から何回もワクチンを抜き取ってるうちにワクチンに細菌が混じってしまい、細菌感染を起こしたワクチン接種をした大勢の方々が亡くなるという事故が起きてしまいました。チメロサールは微量でも強い殺菌作用があるため、その後、このようなことが起きないようワクチンの保存剤(防腐剤)として添加されるようになりました。

そのような理由で添加剤として使われるようになったチメロサールですが、自閉症のもとになるのではないか?という議論が起こりました。この問題は2000年代に入り多数の研究機関より自閉症や発達障害とチメロサールは因果関係なしというデータが出揃い、WHOも問題なし、と見解を示しております。

今では人間の予防接種は1バイアル=一人分、としてメーカーも推奨してますのでそういう事故も起こることもないのでしょうが、狂犬病ワクチンは集団接種がありますので複数回分のワクチンが入った瓶で供給されます。そういった意味でも強い殺菌作用を示すチメロサールが必要なわけです。

チメロサールはエチル水銀と言って体内から外に出る水銀なので使っても問題ない、と言われております。それに反し、メチル水銀は体内に蓄積しやすく、メチル水銀が蓄積した魚を食された方々が水俣病に罹患してしまいました。同じ水銀でひとくくりにされてますが大きな違いですね。

そういう理由で狂犬病ワクチンに使われているチメロサールは、有害なメチル水銀とは一線を画すものであるため、国も薬剤に使うことを認めている添加剤なんです。

更に言うならば、魚介類にはエチル水銀よりもはるかに毒性が強く蓄積性のあるメチル水銀が含まれています。特に食物連鎖の上位にあるマグロ類、カジキ類に高い濃度で蓄積されます。お刺身一切れで人間の予防接種4-8回分の水銀を摂取していることになってます。

とは言うものの、私たちが普段口にしているそういった魚介類も人体に影響が出るほどの水銀が含まれてるわけではないので我々もおいしく食べられているのです。

上記の理由にてチメロサールが含有されている狂犬病ワクチンをいたずらに心配することなく安心して接種していただければと思っております。